指導員検定

◆日時:2013.2.22〜24(金〜日)
◆場所:大山スキー場
◆主催:西日本ブロック
◆参加者:兵庫県連より7名
◆レポート:パトリオットサンダー

指導員受検と今シーズンのスキー

【準指合格発表の翌日】
3年前の準指合格発表の翌日は、会社の春の異動内示日。もしかしたらと思っていたら、やっぱり転勤だった。合格した後、これから一番楽しく滑れる時期だというのに、何も合格発表の翌日でなくても!!行き先は??一度は長野県に転勤したいと思っていたので、長野県なら最高!!しかし叶わなかった。会社にバレている。何と!山口県の下関。俺はやっぱり不幸なんだ!最悪でも九州は遠慮し何とか本州の希望を出していたが、本州最西端の下関とは!?確かに本州ではある、しかし、おちょくっとるみたいだ。
しかし、待てよ!山口県なら広島のスキー場が近い。地図で見たら日帰り圏だ!ものは考えようだ!大好きなスキー場巡りができる。単身赴任だから休みの日は24時間自由だ。土日は好きなだけスキーができる(^o^)/  もちろん、仕事のことも考えたぞ。

【新たなスキーライフ】
広島県のスキー場は初めてだった。初めてのスキー場に行くのはいつでもワクワクする。 しかし、スキー仲間はいない、一人ぽっちだ。自由気ままだけど寂しい。
1年目は全く知り合いはいない土地なので、一人で滑ることが多く、元々おかしかったフォームがさらにおかしくなった。
2年目は、驚いたことにクラブの○サムさんが転勤で福岡に引っ越してきた。まるで追っかけてきたように。 さらに新入クラブ員の○スエモンさんが姫路から岡山に引っ越してきた。ベルスキークラブサンキュー支部(山九支部)が結成された。

【広島県のスキー場】
広島のスキー場にはワクワクしたが、さほど期待していた訳ではなかった。広島県と島根県の県境にスキー場が集中しており、大小合わせて兵庫県より多い。ベースの標高が700〜800mもある高原にスキー場はあり、広島から近いのに雪が多いわけが納得できた。 広島のスキー場の何よりの驚きはトイレがきれいなのである。私が行ったスキー場でウォシュレット無しのスキー場は一つもなかった。古い設備の恐羅漢スキー場でさえである。 リフト券が時間制のスキー場が多く、若者の時間感覚に自由に対応している。週末はナイターをやっているところは5時で一旦リフト休止せず続けて滑れるので、6時間券で午後3時に来て9時まで滑って帰るなど自由な時間の使い方ができて利用者サイドに立っているのを感じる。 人工で、オープン直後の12月上旬から、トップから2300m滑れる「めがひら」はすごい!ナイターでも2300m滑れるし週末はオールナイトもやっている。
だから?広島のスキー場はみな結構繁盛している。九州からの来場者も多く、若者が多い。ボーダーも多い。



【兵庫県のスキー場】
なぜ兵庫県のスキー場はいつでも空いているのか?大阪・兵庫の人口の方がずっと多いにもかかわらず!その理由は上記の裏返しではないだろうか。 確かに、大阪・兵庫からは岐阜県や長野県のスキー場にも行きやすいが、それだけではないと思う。スキー界の発展のためにも兵庫県のスキー場に頑張って欲しいと思っている人は多いはず。兵庫県のスキー場経営者には、いろいろなスキー場経営を見てニーズを捉える工夫をしてほしいし、行政の応援ももっと必要かもしれない。

【受検について】  
正直に言って、(準)指導員を受検するときのスキーは楽しいと言えない。準指導員をとったら指導員は受けない、という人もいるしその理由は理解できる。私も実は躊躇していたが、やっぱり指導者を目指したのだから中途半端はやめて最後まで進んでみようと言う気持が強くなった。決め手になったのは、下関からせっかく希望して大阪勤務に戻してもらい自宅に帰ったのだから、やるだけやってみようと決意した。関西に戻りたい理由は3つあったが、一番大きな理由はスキーだった。広島のスキー場が近くても、さすがに下関から大好きな白馬には行きにくいのである。  しかし、いざ受検申込をする段階になって、大きな障害が!!10月の時点で、1月25日の指導員養成講習に出席できない用事(仕事より大事な用事)が入ってしまったのだ。準指は要請講習を1日休んでも救済措置があることは知っていたが、指導員では聞いたことがなかった。受検を諦めかけた頃、ダメ元と思って県連の方に調べていただいたところ、特別講習を2日間受けることで受検できることが分かった。ところが、昨シーズンは下関にいたため、義務化された特別講習を受講していなかった。そのため、養成講習の他に兵庫県連特別講習と西日本特別講習を2回延べ4日間受けることが条件となった。1月以降は講習漬けとなった。

【チーム兵庫】
今シーズンの受検者は8人。うち準指同期が5人。指導者研修会(オクカン)→西日本特講(大山)→養成講習(氷ノ山)→県特講(万場)→監督スペシャルレッスン→受検本番(大山)と、ずっと行動を共にすることになった。 準指受検との大きな違いは、指導員受検となると兵庫県連がずいぶん応援してくれることだ。準指受検の時はこわ〜い先生方が今度は味方になってくれている。うれしい反面、合格へのプレッシャーが大きくなってきた。ある意味、合格して当たり前という雰囲気があるから、自分一人だけ落ちたらどうしよう!!という恐怖心が起こってくる。しかも、学科の自主学習資料が範囲が広く、すべて文章題でかなり難しい。そのうち、落ちてもいいから、もう一度学科をするのは嫌だから学科だけでも合格しておきたいとの気持になってくる。どうも皆も同じ気持ちのようだ。 チーム兵庫には力強い応援者がいた。昨シーズンのキャプテン○串さんが、昨年度の自主学習資料の回答集を提供してくれたのだ。これは助かる!! 半分くらいは今年のと同じだ。加えて、今シーズンのチームキャプテンM氏もすごい、自らスキー大学へ参加して今年度の自主学習資料のポイントを作成してくれたのだ。通勤電車でしか勉強できない自分には、ありがたい!!感謝、感謝。 今シーズンのチーム兵庫には、ざっくばらんな中にも宿舎で学科問題の話をしたり、車での移動中に和気あいあいと質問を出し合ったりする雰囲気があった。こういうことが結構大きかったと思う。

【検定当日と合格発表】
当初8人だった受検者は、身内のご不幸があり、1人減って7人となっていた。○田さんの分まで頑張らないと!という気持ちは皆にあったと思う。 学科も谷回りも頑張ったぞ。谷回りをし過ぎてクラブ合宿のとき、コブを滑れなくなっていたなぁ。 大山は天気が悪い日が多いと聞いていたが、西日本特講のときも検定当日も天気には恵まれた。検定当日は一時ガスがかかったが無事終了することができた。兵庫チームはみな冷静だった。誰も大きなミスをすることなく全員が滑りきった。一番驚いたのは、「不整地小回り」をコブのあるところを避けて、その下からスタートさせたことだった。これは、コブがあるつもりで滑ったらいいのか、整地と同じ感覚で滑ったらいいのか迷った。

緊張の合格発表当日、順不同にビブナンバーが呼ばれる。自分は割と早くコールされたのでホッと大きな安堵感が…。これであの学科の勉強しなくて済むううぅぅ!! なかなかコールされない隣のこ○○君の焦りが伝わってくる、そしてコール!! しばらくして最後となっていたみ○りさんのコール!!
全員合格だ。すごい!!皆の希望が本当に現実になった。最後のみ○りさんがコールされたあとガッチリ皆で握手。み○りさん他何人かの目には込み上げてきた熱いものが!! 本当に感動した。受検してよかった。

【お世話になった先生に感謝】
S作先生の特訓は県研修会の終わったその日から始まった。リフトが止まる時間まで、厳しく的確にやっていただいた。驚いたのは、検定の前の週にも最終チェックをしていただいたことだ。厳しい中にも時々感じる優しさに味がある。
A野先生、F本先生、A井先生にも養成講習、特講でたくさんのことを教えていただいた。講習らしくなく楽しかった。養成講習を一日休んで申し訳ありませんでした。A野先生には親子でお世話になり感謝、感謝。





【検定後】
ここでおしまいにしとけばいいのかもしれないが、今シーズンにとってスキーの本当の楽しみは3月以降と思っていたのでつけ足すことにした。

☆大好きな白馬と技術選
今年は初めて白馬八方尾根のスプリングシーズン券を買った。GW迄に10日間ほどは来るはずだからお得だし、八方のシーズン券を持っているだけでなぜか嬉しい。 今年は初めて技選決勝を見に来た。やっぱりビデオで観るのと迫力が全然違う。兎平新コースの急斜面の不整地大回りには本当に驚いた。あの急斜面をこいで降りてくるのだ。超高速不整地大回りは一瞬で勝負が終わる。スピード出し過ぎて3ターンしかしない選手もいる。あのスピードでよく止まれるものだ。 不整地小回りも凄かった。こちらも高速化して、滑りが変わってきている印象をもった。日本のトップ選手の本気の滑りを生で観られたことに大いに感動した。

☆新しいスキー教程
その後、兵庫県連の春季キャンプと長野県連のスキーフェスティバルにも参加した。そこで感じたのは、「体幹主導」による「谷回り」という指導がまったくされないことだった。斜面に対して垂直なニュートラルポジションより、地球に対する垂直ということが強調された。谷回りのタの字も出ないのである。何か大きな変化を予感した。最後にナショナルデモからの総評で、「自分から傾きをつくって内傾しターンをするのではなく、しっかり外脚に乗って、脚から腰そして上体へ」とあった。明らかに谷回りが否定されている?そしてある信頼できる情報によると、外傾・外向が復活するとも聞いた。SAJの教程も2年後に大幅に変わるらしい。
指導員検定受検後に言うのも変だが、スキーの指導方法として「谷回り」一本やりの現教程にはもともと疑問と限界を感じていた。やっぱり、プルークボーゲンやシュテムターンは安全上必要な技術だと思うし、スキーは「谷回り」だけでなく、斜面や習熟度に応じたいろいろな技術で滑る奥深いものだと思う。 スキー教程がより良い方向に変わるなら大歓迎なのだが、準指・指導員と「谷回り」でやってきた私には虚しさを禁じ得ない。基幹技術をコロコロ変えるのではなく、しっかりとした普遍的技術と指導方法を確立してほしいと思う。
来シーズン、人に教える場合、どのように教えたらよいのか本当に悩ましい。

☆最高に楽しいスキー
4月以降の春スキーは本当に楽しい。寒くないし道に雪がないから遠くへ出かけて行ける。コブが柔らかくて身体に優しく練習にはもってこいだ。 GWには、私が14年前に本格的にスキーを始めるきっかけとなった角○先生の特別講座を受けることができた。基礎スキーではなく、コブ斜面をより速く滑るためのモーグル特別レッスンだ。一体何を考えているんだ?と言われそうだが、SAJの教程はみんな忘れて滑った。憧れの先生に直接指導を受けただけでも感動したのに、レッスン前のミーティング、レッスン中の明るさと半分いた若いモーグラーとの交流やレッスン終了後のビデオミーティングなど指導内容が素晴らしかった。学んだことが沢山あった。
今年もシーズンの締めくくりにかぐらと月山に行った。距離的には少し遠く、行ける人は限られるかもしれないが、両方とも素晴らしいところだ。ベルスキークラブのコブレンジャーには最高に楽しいスキー場であり、ぜひ多くの人に行ってほしいと思う。特に月山は言葉では表せない特別な場所だ。志賀高原よりほんの300km遠いだけだから。





 【戻る】



MENU





er-->